どう変わる?「楽天市場」クーポン有料化へ、詳細を徹底解説
楽天グループでは、「楽天市場」出店店舗向けのクーポンサービス「RaCoupon(ラ・クーポン)」において、クーポンシステム利用料の無料キャンペーンを2024年3月末で終了し、2024年4月からはクーポンの利用量に応じて料金を徴収することが発表されました。
「有料化」というインパクトが強いため、どのように影響し、どの程度コストが発生するのか把握しきれていないショップも多く見受けられます。
そこで、本記事では、楽天市場におけるクーポン有料化で何が変わるのか、今後どのように対応していくべきなのかを中心に解説します。
- 1. ◆クーポン有料化に伴う具体的な変更内容
- 1.1. ・サービスクーポン(=楽天原資)
- 1.2. ・サンキュークーポン(引き続き無料キャンペーン中)
- 1.3. ・運用型クーポン広告(クーポンアドバンス広告)
- 1.4. ・楽天市場広告・楽天グループ広告において広告掲載条件として、ショップクーポン必須、かつ、有料広告枠をご購入されている場合
- 2. ◆楽天店舗における課金額の計算方法は?
- 3. ◆有料化に伴い今後クーポンの発行は控えた方が良い…?
- 4. ◆計画的にクーポンを活用していくことが重要!
- 5. ◆効果測定の方法をおさらい!データの探し方
- 6. ◆クーポン戦略の最適化
- 7. ◆サンキュークーポンは有料化の対象外!どう活用する?
- 8. ◆ただの有料化ではない?クーポン機能がバージョンアップ
- 9. ◆まとめ
- 10. ◆よくある質問
◆クーポン有料化に伴う具体的な変更内容
2024年4月1日より、店舗原資によるショップクーポンが有料化の対象となり、利用枚数が月50枚を超えると、1枚あたり50円(税別)のシステム利用料が発生します。
ただ、ショップクーポンが利用された受注の翌月末までは、キャンセルが反映される仕様になっています。
今回のクーポン有料化は、ショップが配布するクーポンが対象となり、以下のクーポンは請求対象外となります。
・サービスクーポン(=楽天原資)
・サンキュークーポン(引き続き無料キャンペーン中)
・運用型クーポン広告(クーポンアドバンス広告)
・楽天市場広告・楽天グループ広告において広告掲載条件として、ショップクーポン必須、かつ、有料広告枠をご購入されている場合
◆楽天店舗における課金額の計算方法は?
1年間はクーポン利用料が30%値引きになりますが、6月の請求を見て慌てないようにするため、利用枚数の管理や予算計画がより一層重要になります。
例えば、月に80枚のクーポンが利用される場合、51枚目から80枚までの30枚が課金対象となりますが、初年度特別値引きが適用され、1,400円(税別)の請求が行われることになりますので、理解しておきましょう。
point
・発行枚数ではなく利用枚数で利用料金(1枚あたり50円)が計算される
・ただ、1ヶ月あたりのショップクーポン利用枚数の51枚目からが対象となるので、利用枚数が50枚以下であれば料金は発生しない
・サンキュークーポンは引き続き無料で利用可能
・初年度はクーポン利用料が30%値引きに
◆有料化に伴い今後クーポンの発行は控えた方が良い…?
クーポンは、ユーザーにとってお得感を感じられやすく、購買意欲を高めるきっかけになることは明確です。
実際に、「楽天市場」におけるクーポン利用状況を見ると、クーポン利用購買割合の年平均成長率は14.7%と増加しており(2018年から2022年の推移)、クーポン利用の受注件数においても2013年から10年で約20倍に急拡大しています。
ただ、クーポンが有料化になることを踏まえると、クーポンを発行し続けるのか、悩みますよね。
◆計画的にクーポンを活用していくことが重要!
結論から述べますと、クーポンの発行は売上アップのためには今後も重要な施策であることは変わりません。
そのため今後は、単なる値引きだけのクーポンを発行するのではなく、「◯◯◯円以上などで利用できる客単価アップのクーポン」や、引き続きシステム利用料が無料である「サンキュークーポン」を活用していくことがポイントです。
さらに、効果測定を通じて定期的に戦略を見直しながら計画的にクーポンを活用していくことが必要です。
◆効果測定の方法をおさらい!データの探し方
RMSトップ→データ分析→販促効果測定→クーポン効果測定クより、クーポンの利用状況が確認できます。
◆クーポン戦略の最適化
効果測定にてデータを確認したあとは、仮説を立ててさらなるテストを実施することで、クーポン戦略を徐々に最適化していきましょう。例えば、特定の商品やカテゴリに対するクーポンの利用率が高い場合、同様の商品に対して類似のクーポンを提供することで、さらなる売上増加が見込めるかもしれません。
また、特定の顧客セグメントがクーポンを特に好んで利用する場合、そのセグメントをターゲットにするのもおすすめです。
重要なのは、一度のテストや施策で満足せず、継続的にデータを分析し、PDCAを回していくことです。常に市場や顧客のニーズは常に変化しているので、自分のショップのデータを見ながらライバル点のクーポン発行状況などもチェックしていきましょう。
◆サンキュークーポンは有料化の対象外!どう活用する?
サンキュークーポンは引き続き無料で利用できますので、積極的に活用していくことをおすすめします。
サンキュークーポンは、ユーザーが商品購入完了時に自動で付与されるクーポンのため、リピート購入の促進が期待できます。
また、クーポンの有効期間は長期間ではなく短期間で設定し、ユーザーに「今買う理由」を与えることがポイントであるため、6ヶ月や1年間など長期間で有効期間を設定されている方は見直ししてみましょう。
◆ただの有料化ではない?クーポン機能がバージョンアップ
2024年4月1日よりクーポンが有料化になりましたが、ただ有料化になっただけではなく、「機能強化」を進めていくと発表されています。
現時点で公開されているリリース予定の内容は以下です。
・対象商品を指定したクーポン発行時に、対象商品として設定できる商品数が5,000商品まで可能に
・ユーザーがクーポンを獲得できる条件として、「店舗利用履歴」「性別」「年齢」「誕生月」「居住地」の項目が追加
・クーポン有効期間中の公開設定を、非公開に編集可能に
さらに、ユーザーが楽天市場のみならず、楽天トラベルや楽天ビューティーなどを含めた楽天グループのサービスにおけるクーポンを集約している「わくわくクーポンランド」を「楽天市場」ユーザー向けへの露出強化を予定しており、ユーザーがクーポンを見つけやすい環境を整備していくとのことです。
◆まとめ
2024年4月より楽天市場でのショップクーポン配布は有料化になりましたが、ショップの売上アップや転換率、アクセス数アップのためにはクーポンの活用は必要です。
ただ、単なるクーポンの配布ではなく、ユーザーにクーポンを利用してもらうことにより、客単価アップやリピート購入を促すためにクーポンにおける戦略を考えていかねばなりません。
楽天市場でショップを運営していくためには、今回取り上げたクーポン利用料のみならず、出店料、広告費、さまざまなコストがかかりますよね。
売上が上がっても利益が残らない…
さまざまな施策は実施しているのに売上やアクセス数が伸びない…
という方は、まずはお気軽にご相談ください。
◆よくある質問
Q. クーポン発行時に48枚など制限をつけるとシステム利用料は発生しないのでしょうか?
A. クーポンの全利用回数上限を設定することで利用枚数が50枚以内となり、システム利用料が発生しない場合もあります。
ただ、「月間の」クーポン利用枚数が対象になるため、複数のクーポンを発行する場合は、利用枚数が合計51枚超えてしまう可能性もありますのでご注意ください。
Q. バラエティクーポンは有料化の対象になりますか?
A. 無料のバラエティクーポン枠を活用される場合は有料化の対象です。
Q. 「運用型クーポン広告(クーポンアドバンス広告)」は有料化の対象になりますか?
A. 運用型クーポン広告(クーポンアドバンス広告)は対象外です。
現状、有料化の対象クーポンはショップクーポンのみです。
Q. 請求についてはクーポンコード毎の集計になりますか?
A. システム手数料が発生する51枚以上は、クーポンコード毎(クーポン単位)ではなく1ヶ月あたりの全体のクーポン利用枚数となります。